毎年8月に元町公園をメインステージに開催しているはこだて国際民俗芸術祭を主催する「ワールズ・ミート・ジャパン」(イアン・フランク代表理事)は、五稜郭公園の堀にボートを浮かべ、水上でアーティストが演奏を披露する「モーツ・アート」をスタートした。新型コロナウイルス感染拡大で例年通りの芸術祭開催は断念したが、オンライン配信も活用し、新しい舞台芸術の形に取り組んでいる。8月30日まで。
国際民俗芸術祭は2008年から世界各国からアーティストが集い、民俗芸能などを披露してきた。今年度はイベントでの感染防止が難しいことから通常開催は取りやめたが、アーティストに演奏の機会を提供するとともに、イベントを通じて市民にも楽しんでもらおうと水上での演奏形式を企画。「モーツ」は英語で「堀」を意味する。
会場となる堀の柵には、観客がソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を取れるよう約2メートル間隔でのぼりを設置し、18日から公演。2日目の19日には、七飯町在住のソプラノ歌手、次藤正代さんが出演し、ボートから伸びやかな歌声を響かせ、訪れた市民や観光客が足を止めて聴き入っていた。公演の様子は後日ユーチューブなどで動画として公開する。
公演は毎週水曜午後5時~同6時半、毎週土、日曜の午前11時半~午後1時に開催。同団体では現在、プロ、アマチュアを問わず、ジャズやクラシックといった音楽のほか、大道芸や話芸など幅広い芸術分野の出演アーティストを募集しており、イアン代表理事は「コロナウイルスの影響でできないことが多くなったが、新しい夏の定番になれば」と力を込める。
演奏の動画や出演の申し込みは同イベント特設ページ(https://worldsmeet.org/ma/)へ。(飯尾遼太)