日本中央競馬会(JRA)は28日、6月28日までの中央競馬競走を観客が入場できない無観客で実施すると発表した。このため、同13日から7月19日まで函館競馬場(駒場町12)で開催する函館競馬も6月中(6日間)は無観客競馬となる。7月4日以降については後日発表される。地元の観光関係者からは「今の状況では仕方ない」などと声が上がっている。
JRAは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月29日以降の中央競馬を無観客で実施。函館競馬場は1896(明治29)年に開場した国内最古の競馬場で、1944(昭和19)年は戦争で開催中止、2009年はスタンド改修で開催されなかったが、初の無観客開催となる。
函館開催は19年が8万5582人、18年が8万6762人の来場者があり、本州や道内から旅行を兼ねて訪れる人も多い。市内のある旅行代理店は「都市間移動の制限があり、通常開催は無理だと思う。競馬関係の常連が多い飲食店もあり、まだまだ大変なことが続くが、終息に向けた取り組みが大事」と語った。
競馬場の向かいにあるクレドホテル函館(深堀町、42室)は5月末まで新規予約を停止し、6月1日から再開する。長期滞在の競馬関係者が10部屋程度利用する一方、「開幕以降の一般客の予約は約半分程度。競馬を見に来る顔なじみの客もいるが、無観客が発表され今後キャンセルになるだろう」と気をもむ。
7月以降については「競馬場でクラスター(集団感染)発生を避けるためであれば、今年に限り無観客でも仕方ない」としている。(山崎純一、稲船優香)