NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は5日、第33回公演「星の城、明日に輝け」(7月10日~8月8日、全8回)に向けたメインキャストオーディションを五稜郭櫻交流ハウスで開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で、今年は初参加や新しい役に挑戦する出演者のみを対象とし、希望者が本番を見据えてセリフに思いを込めた。(飯尾遼太)
当初3月8日に予定していたが、同日に延期。例年だと参加者は約20~30人いるが、感染防止のため、今年は出演経験者のオーディションを見送った。また、この日は会場にアルコール消毒液やマスクを用意し、換気など感染予防対策をとった。
最初に中村理事長が「いつも通り開催できるかわからない状態だが、今日は皆さんの熱演を期待している」とあいさつ。その後、希望者の4人が一人ずつ自己紹介し、志望動機などを語り、中村理事長ら審査員4人に思いをぶつけた。台本の読み合わせでは劇の進行役となるコロポックルの子ども役になりきり、表現豊かに演じていた。終了後、松本啓審査委員長が講評で「セリフは感情が観客に伝わるように抑揚やアクセントを大事に。野外劇を通じて函館の歴史を学ぶ機会にしてほしい」と呼び掛けた。
参加した市内の野村萌花さん(20)は「緊張したが、セリフに気持ちを乗せられるよう意識した。劇を通じて函館の歴史を観客に伝えたい」と話していた。
同会は13日に理事会を開き、開催方法などについて協議するとしている。