道南写真館協会(加藤昇会長)は「写真の日」の1日、函館市豊川町の「北海道写真発祥の地碑」前で、市民から寄せられた古い写真を供養する「写真供養祭」を行った。北海道写真館連合会の堀田雅詞会長(札幌)、同協会会員、一般の計30人余りが参列。写真を碑前に置き、市内の神職がお払いした。
同碑は、安政年間の末期に新発田(新潟)から箱館に渡った木津孝吉が1864(元治元)年に北海道で初めて写真場を開いたとされる功績をしのび、開設100年の1964年に日本写真文化協会北海道連合会が建立した。同協会では、建立直後の時期から碑前祭を行い、各店の客から古い写真の処理に困っている声を受け、96年から写真供養祭を実施している。
今年はは段ボール約160箱相当分が寄せられた。神職が碑に向かい祝詞を奏上し、堀田会長、加藤会長らが玉ぐしを捧げ、先人の遺徳をしのんだ。堀田会長は「先人が命を懸けて焼いている写真でも、処分するとなると気掛かりなことを抱かれると思うが、供養祭でその心配を払しょくしていきたい。貴重な写真を守り伝えていくことも使命と考えている」と話した。
加藤会長によると、保存を相談する写真の中には日中戦争に関わるものもあったという。供養された写真はこの日のうちに焼却された。「公共交通機関を使って写真を持ち込む高齢者も多い。終活活動の一環と思われる」と話した。(山崎純一)