函館市谷地頭町の函館八幡宮(川見順春宮司)の例祭が15日、開かれた。市の有形文化財に指定されている大神輿(みこし)が西部地区を巡行した後、拝殿に続く134段の石段を一気に駆け上がる「石段かけのぼり」が行われた。
神輿渡御は2年に1度実施。新型コロナウイルスの影響で大神輿が登場するのは6年ぶり。祭典を担当する同八幡宮瑞垣(みずがき)会(宮崎晶会長)が取り仕切り、今年は約400人の担ぎ手が参加。最高気温29・2度(美原)と真夏日並みの暑さの中、ベイエリアや函館朝市など約6・7キロを威勢の良い掛け声とともに練り歩いた。
石段かけのぼりは、同八幡宮の剣道場「神威館」の道場生らの神輿に続き、午後5時50分ごろスタート。大勢の見物客が見守る中で豪快に突き進み、無事拝殿前に到着すると大きな拍手が送られた。市昭和の主婦、小田美紀さん(24)は「初めて見たが、懸命に上がる子どもの神輿も、大きな神輿もパリ五輪並みに感動した」と笑顔。
市内のライダーハウスに宿泊する仲間で担いだという愛知県の40代男性は「肩に食い込む重みで驚いた。また担ぎたい」、石段かけのぼりにも加わった山形県の20代男性は「周りの人の気合いがすごく、思ったより大変ではなかった」と話していた。(山崎純一)