道南最大級の食の祭典「はこだてグルメサーカス2016」(実行委主催)が10日、函館駅前・大門地区で開幕した。過去最大の148ブースが出店。北海道新幹線開業を記念して、東北6県から9つの祭りが集結、盛大なパレードが行われるなど、例年以上の盛り上がりを見せた。11日まで。
道南をはじめ、開港五都市や海外の姉妹都市など函館ゆかりの味覚を集めたイベント。グリーンプラザ会場には新幹線沿線地域のグルメも集まり、東北だけで47ブースが並んだ。JR函館駅前の特設会場には函館や道南各都市から出店があった。開会式で工藤寿樹市長は「函館が面白いことをやっていると全国に発信していきたい」と述べた。
東北6県から集結した祭りは、青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、福島わらじまつりなど9つ。太陽大門パーキングでは展示や演舞が行われた。仙台七夕まつりを除く8つの祭りのパレードが旧市電東雲線で行われ、太鼓や笛、美しい踊り、迫力あふれる山車が次々と登場し、沿道も熱気であふれた。
先陣を切った八戸三社大祭の豪華な山車は、七福神をデザイン。山車が立ち上がり、11メートルもの高さになると歓声が沸き起こった。八戸市観光課の石塚俊哉さん(40)は「市外でお披露目する機会は少ない。新幹線で近くなった八戸に遊びに来て」と話していた。
また、稲穂に見立てたちょうちんが美しい秋田竿燈まつりは、高さ12メートル、重さ50キロになる「大若」と呼ばれるさお5本が登場。片手で支えたり、額や腰に乗せてバランスを取る妙技に拍手が送られた。秋田市竿燈会の鈴木文明副会長代行(66)は「今年は史上最多の280本が登場した。夜はちょうちんにろうそくをともして演技する様子を秋田で見てほしい」と話した。
東雲広路付近で5人で観覧した近くに住む伝法喜久雄さん(66)は「竿燈の演技が素晴らしく、山形の花笠もきれいでした。ぜひ本場に見に行きたい」と喜んだ。札幌から江別の友人らと来函した清水達夫さん(67)は「青森で東北六魂祭を見てきたので、お祭りを楽しみにきた。新幹線が開業してから函館が近くなった感じがする。おいしいものも楽しんでいきたい」と話していた。
11日は午前10時~午後4時。パレードは午後1時から行われる。(今井正一)