国内外で活躍する料理人が情報や技術を共有する「第6回世界料理学会inHAKODATE」(実行委主催)の2日目は6日、函館国際ホテルで事例発表やトークセッションが開かれ、今回のテーマ「イカ」にちなんだ発表などに多くの参加者が耳を傾けた。
この日は事例発表に10人、トークセッションに11人が参加。このうち、イカの生態研究の第一人者として知られる北大名誉教授の桜井泰憲さんは「イカの生態と高鮮度化」について発表した。
桜井さんは市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)に設けた水槽で、スルメイカの産卵行動の研究に取り組んでいることを紹介。スルメイカが増減するメカニズムに関し、「冬の季節風が弱いと卵塊が壊れないため、たくさんの幼生が生き残る」と説明した。さらに、実際に産卵する様子を動画で流すと、会場の参加者から感嘆の声が上がった。
また、イカの鮮度を維持するために開発した「イカ活チャキ器」という道具を使用してイカの活締めを実演。イカの内臓を引っかくことで神経を剥離し、長時間鮮度を保つことができるとし、参加者も桜井さんから手ほどきを受けながら体験していた。(木村京子)