夏の体調管理は水分から
暑い日が続いております。利用者さんのご自宅に訪問すると、室内が大変暑くなっていることが多くありますが、あまり暑さを感じない方もいらっしゃるようで、体調を崩すのではないかと心配です。中でも一番気になるところは、水分を取る量が少ないところです。高齢になるにつれ、①水分を蓄えるための筋肉量が減ることで体内の水分量が減る。②水分調整において重要な腎機能の低下により、老廃物を排出するための尿量が多くなる。③感受性が鈍くなり、喉の渇きも感じにくく、体が水分を必要としていても気が付かないなどの要因から脱水を起こしやすくなります。
人間は1日に約2.5ℓの水分を排泄しています。尿や便、発汗などの排泄もありますが、実は「寝ている時、何もしていない時」にも皮膚や呼吸から体の水分は常に蒸発しており、これを「不感蒸泄」と言います。不感蒸泄からも1日に約900㎖の水分が失われており、「汗をかいていない」「喉が渇いていない」「トイレが近くなる」といった理由で水分を控えてしまう方がいますが、排泄されるトータルの水分量2.5ℓを、食事や飲み物から補う必要があるのです。
1日1.5ℓの水分(食事は除く)を取るのが望ましく、「そんなに飲めない!」と思う方も起床時、朝食時、昼食までの間、昼食時、夕食までの間、夕食時、寝る前など数回に分けて200㎖ずつ水分を取るように習慣付けるなどの工夫をしてみるのも良いです。「ビールで水分取っているよ」と話される方もいますが、アルコールは利尿作用があり体の水分を奪うため逆効果なのでお気を付けください。水分不足は熱中症、脳梗塞、心筋梗塞などさまざまな健康障害のリスクの要因ともなります。夏場は特に意識してこまめに水分を取り体調を整えましょう。
(ハコラク 2021年9月号掲載)
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