函館の歴史を象徴する
かつての蝦夷地の総鎮守
函館の総鎮守として、その土地の氏神を大切にしながら、地域全体の安寧を祈る「函館八幡宮」。正確な資料の多くは焼失してしまったが、記録によると亀田郡領守の河野加賀守政通が、1445年に箱館に館を築いた時、敷地の一角に八幡神・品陀和気命を祭ったのが起源。詳しい場所は不明ながら1512年以降に今の赤川町に移り、1648年頃に元の地に戻され、その後、江戸幕府が東蝦夷地直轄にあたり奉行所を置くことになり、1804年に八幡坂の上へ奉遷、坂の名前の由来にもなった。明治期に入ると2度の大火に見舞われ、1880年に現在の場所へ。格式を決める社格制度があった戦前までは北海道を代表する神社として国幣中社に位置づけられていた。
1915年に完成した社殿は「大正式八幡造」の代表作で、函館山の豊かな自然を背景に佇む優美な姿は、参拝客に畏敬の念を抱かせる。8月の例祭では2年に一度、大みこしが西部地区を巡行。神輿渡御の最後を飾る「大神輿石段かけのぼり」は重さ1.5tの大みこしを担いで134段の階段を駆け上がる神事で、迫力ある様子が市民や観光客から人気を集めている。
(ハコラク 2021年11月号掲載)
函館八幡宮
函館市谷地頭町2‐5
☎0138‐22‐3636
社務所9:00~16:30
※4~9月は9:00~17:00
無休 P有り