生産者の自信と誇りが詰まった
森町生まれのオリジナルブランド
温暖な気候と駒ケ岳の地下水に恵まれる森町でSPF豚を生産する「道南アグロ」。ここで生まれる〝ひこま豚〟は、特定の病原菌を持たないよう飼育されるSPF豚の中でも、雄豚に比べ肥育日数がかかる分、肉質がやわらかく濃厚な味に育つという雌豚、さらに「上」と格付けされたもののみに与えられるオリジナルブランドだ。
創業者の日浅文男さんは、全国農業協同組合連合会の獣医師として全国各地の農場を見て来た経験からSPF豚に着目。夕張郡栗山町で設立した農業法人「アグロ」が1989年に道内初のSPF豚認定農場となり、1995年に森町へと事業を拡大した。現在社長として農場を引き継ぐ息子の順一さんは、豚にストレスを与えない環境を整え、独自の配合飼料を与えることで臭みのない上品な甘味の肉に仕上げるなど、手間暇掛けて自慢の豚を育てている。しかし、一般的な流通価格は品質よりも需給動向に左右されやすく、消費者の顔が見えないことにも疑問を感じ、「自分たちで納得出来る値付けをし、直接お客様に販売したい」と、2013年に「株式会社ひこま豚」を設立。イートインと直売コーナーを備えた店舗をオープンさせ、現在は札幌にも2店舗を展開。地元企業とコラボした加工品を販売するなど、信念を持って味の魅力を伝えてきた。
かつては養豚業が好きになれず、父親が始めた札幌の豚肉料理専門店で13年間働いてきた日浅社長。「今では豚の匂いさえ愛おしく、もっと早く戻ってくればよかったと思ったこともありますが、この経験があったからこそ店を出せた。全国のSPF豚と比べても、うちの豚肉はおいしいと思っているので、第2、第3のブランド化を実現させ、スタッフと共に農場を大きくしていけたら」。生産者の確固たるプライドが、唯一無二のブランドを築いている。
(ハコラク 2020年9月号掲載)
株式会社 ひこま豚
ひこま豚食堂 ファーマーズショップ
森町赤井川139
☎01374‐7‐1456
10:00~20:00(19:30L.O)
水曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス決済利用可