柔軟な発想を持ち着物の
魅力を通して日本文化の伝承に力を注ぐ
創立から半世紀以上の歴史を持つ「小林豊子きもの学院」。着付け、組ひも製作、和裁、礼儀作法を教え、時代衣装の復元、十二単などの着装体験といったイベントも通して、古き良き“きもの文化”と歴史を今に伝えている。「着物を着ると自然に背筋が伸び、気持ちも引き締まる」と言う北澤豊明美さんは、空知管内・雨竜町出身。幼少期から着物に親しみ、着物を日常着としていた大正生まれの祖母に憧れ、また、就職先が写真館だったこともあり、仕事に生かせればと、同学院旭川事務局で着付けを学び始めた。技術を磨くうちに同事務局から声が掛かり転職。20年間赴任した帯広事務局では学院長に就任し、一昨年8月に着任した函館でもこれまでと同様に、教壇に立つ。道南地域の中学や高校へ足を運んで特別授業を行うこともあるという。着物は古代から現代に至るまで、配色や柄、形と常に変化し続けてきた。北澤さんは「今の感覚も積極的に取り入れ、きもの文化だけでなく調和と礼儀を重んじる和の心も次世代へつないでいきたい」と、工夫を凝らし後進の育成に力を尽くしている。
(ハコラク 2023年2月号掲載)
小林豊子きもの学院 函館事務局
函館市本町26‐15 ライオンズMS五稜郭2F
☎0138‐51‐1045