フランス料理の世界を広げ
料理人の原点を思い出す一軒
「キリゲリ」は、2013年に東京で開業したフランス料理ビストロ。上ノ国町出身の久末慎一郎オーナーシェフは、フランスで約5年間修業し独立。目標としてきた故郷・北海道への移転を昨年9月に果たした。提供するのは伝統的なフランスの郷土料理。コースは設けず、道南の農家、漁師、ハンターから仕入れる旬の食材を取り入れたボリュームあるアラカルトを取り揃え、カジュアルなレストランとしてフランス料理の新たな楽しみ方を提案している。
上質な食材やシェフのクリエイティビティを駆使した高級フランス料理を提供する〝ガストロノミー〟の世界で腕を振るう藤谷さん。「味と共に美しさや驚きも求められるガストロノミーに対し、まず何よりもしっかりとしたおいしさが求められるのがビストロ料理。料理の大前提を体現していて、料理人が1番忘れてはいけないことでもある。同じ檜山出身のシェフが素敵な店を出してくれたことが嬉しい」と、店のオープンを知るとすぐさま足を運ぶように。今ではまず豚肉のリエット、パテ・ド・カンパーニュ、生ハム、サラミなどの「自家製シャリュキュトリーの盛合わせ」をつまみに、友人らとワイン片手に談笑しながら季節の料理を待つのが定番になった。
豚足や鴨のコンフィ入りの豆の煮込み料理「カスレ・ドゥ・トゥールーズ」や新鮮な豚の内臓で作るソーセージ「アンドゥイエット」など、日本では珍しい食材や調理法が見られるのも楽しみの一つ。「函館に今までなかったスタイルの店ができることはフランス料理の文化や選択肢を広げ、地元をより魅力的な土地にしてくれる」。フランス料理がもっと好きになれる場所だ。
(ハコラク 2025年4月号掲載)
Qui rit guerit
函館市本町4‐9 五稜郭ハイム1F
☎0138‐84‐5731
18:00~ラスト
不定休(休業日はSNSで告知)
禁煙
P有り(3台)
キャッシュレス決済利用可