フランスで磨いた音楽メソッドを伝え
豊かな音色を通して人々の絆を結ぶ
管楽器の中で最も音域が広く、無音状態から緩やかに音量を上げることができる唯一の楽器と言われるクラリネット。この音色が持つ幅広い表現を極めるためフランスに渡り、7年間パリの音楽院で学んだ鳥潟さくらさんは、今年5月、生まれ育った森町でクラリネット教室を開設した。
森町立森中学校の吹奏楽部でクラリネットに出合った鳥潟さんは、東京の国立音楽大学を首席で卒業。フランスでは奏者として勉強するかたわら舞台に立ち、多彩な国籍の人に個人レッスンも行ってきた。転機となったのは新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時帰国中、地元中学の吹奏楽部をはじめ、さまざまな指導の機会に恵まれたこと。「改めて教えるのが好きだと思い出した。メソッドを伝えるなら言語的に自由な日本でやりたい」と帰国を決めた。「フランスでは会食しながら演奏を聴いたり、生活の中に肩ひじ張らずクラシックを楽しむ環境がありました。もっと音楽を身近にする活動ができたら」。教室にはワークショップを開催できる宿泊設備も設け、音楽が人を繋ぐ拠点を目指している。
(ハコラク 2021年10月号掲載)
教室住所・問い合わせ
森町白川56‐36
☎090‐1647‐0347