航空機の設計などを手掛けるワダエンジニアリング(本社・愛知県名古屋市、和田伸夫社長)が6月30日、函館市産業支援センター(桔梗町)内のインキュベータールームに、県外初の拠点施設「函館R&Dセンター」(磯部稔センター長)を開設した。
同社は1955年創業の和田製作所の関連企業として99年に設立。三菱重工業に関連する航空機の開発設計、生産技術・生産管理業務に対応するエンジニア派遣などを手掛けている。
同センターでは自動車関連企業の情報系業務を請け負うほか、将来的には公立はこだて未来大学や函館高専などと連携したロボット開発にも取り組む。3年後に年間売上3312万円を目指し、5年後までに地元から20人程度の雇用を計画している。
同日、道立工業技術センター(桔梗町)で開所式が行われ、同社役員や市経済部の谷口諭部長らが出席。和田社長は函館に拠点を開設した理由について「今後、情報技術やAI技術を活用する航空電子分野への対応が必要となる中、情報・工学系の優秀な人材がいる函館を選んだ」と説明し、「地元の雇用を創造し、函館市の活性化の手助けになればうれしい」と述べた。
また同日、函館市と地域における雇用の創出、人材育成などを盛り込んだ連携協定を締結した。(金子真人)