【北斗】IT関連企業のデジタル・インフォメーション・テクノロジー(DIT、東京)が、北斗市に新たなDX(デジタルトランスフォーメーション)推進拠点「北斗AIサテライト」(市渡1)を開設した。北斗市や道南の多くの自治体で基幹産業となっている一次産業に同社のIT技術を活用することで、作業の省力化や生産性の向上につなげる「スマート農業・水産業」の実現やIT人材の育成、DX推進を活用した地域活性化などが期待される。
北斗AIサテライトはJR新函館北斗駅前に立地する複合施設「テテ・ホクト」の2階に設置。開設に先立ち、市と同社は2024年2月、DXの推進に関する連携協定を締結。同年8月には企業人材派遣協定を結び、9月には公立はこだて未来大や函館高専などの学生を対象に、市内のトマト農家の農場でAIを活用した農業DXを体験できるインターンシップに取り組んだ。
同サテライトはIT関連技術の開発拠点としてだけでなく、今後スマート農業などに興味がある学生に向けた情報交流やIT人材育成の場、地元の農水産品を普及させるデジタルキッチンの運用といった活用が期待されている。
27日には同所で開所式が開かれ、市川聡社長は北斗市を含めた道南について「未来大や函館高専、大野農業高校といった教育機関に加え、一次産業や観光業が盛んな中、IT技術を活用できる可能性が数多くあることはとても魅力的」と説明。「AIやIT技術を活用することで北斗市の基幹産業を盛り上げるとともに、我々の技術力も進化させていきたい」と述べた。
池田達雄市長は「地域産業におけるAIなどの開発拠点として、重要な機能を有していると期待している。市としてもDIT社に追随し、首都圏のIT企業の進出が活発化するようPRしていきたい」と述べた。(野口賢清)