広告業のツナガル(大阪、金岡毅社長)は13日、サテライトオフィス「函館データサイエンスラボ」を函館工業高等専門学校(阿部恵校長)の貸しオフィス・KOSENコモンズ函館内に開設した。データサイエンスに対応した人材を育てるのが狙い。
ツナガルは2010年設立。インバウンド向けの観光PRやデータ分析、広告運用、AI技術を駆使したDX(デジタルトランスフォーメーション)支援などの事業を展開している。
市場拡大によって全国的にIT関連人材が不足し、同社は札幌などに拠点を置いて地元理系人材やUIJターンの雇用促進に取り組む中、市がDX人材育成へ手厚いサポートをしていることや、先進的なIT教育を行う同高専や公立はこだて未来大の存在が決め手となって進出を決めた。開所式には函館市の田畑浩文副市長や阿部校長らが参加し、テープカットで開設を祝った。
また、ソーシャルリスニング(ビッグデータを調査分析するマーケティング手法)産業で定評がある企業「メルトウオータージャパン」とも連携。函館出身で同社のディレクター泉聖さんは「AI技術が日々進化しているが、データ分析には必ず人の手が関わってくる。真の担い手となる人材が地元で育ってほしい」と期待を寄せた。
ツナガルの同プロジェクト責任者を務める中坂優一さんは「函館で産官学が連携し、地元出身者を社員登用して雇用促進と地域発展に貢献したい」と話した。現時点で2人を採用しており、2025年度までに現地採用も含め20人体制とする予定(非正規含む)。
KOSENコモンズの企業入居用スペースは5ブースあり、今回で全て埋まった。(竹田 亘)