函館朝市でカニやサケなどの水産加工品を販売する「函館カネニ」(藤田公人社長)は13日から、函館産マコンブを使い、ビーガン(完全菜食主義)などの消費者にも対応した「はこだて朝市ねこんぶだし」の製造、開発に向けたクラウドファンディング(CF)を始める。新型コロナウイルスの影響で来客減少が続く中、藤田社長(67)は「まだまだ先は見えないが、状況を打開する救世主になれば」と期待を込める。(飯尾遼太)
函館の観光スポットの一つとしてコロナ前は多くの国内観光客やインバウンドでにぎわった函館朝市。しかし、昨年3月のコロナ感染拡大以降、客足は激減し、売り上げも減少。なんとか回復への糸口とし、消費につなげようとCFを活用した新規事業を計画した。
CFに向け、開発したねこんぶだしは、南茅部・白口浜産マコンブを使い、細切れにせず、コンブをそのまま煮出すストレート抽出で、より濃厚なだしに仕上げた。さらに深みを出そうと、うまみや栄養成分が高いとされる根コンブとともに容器に詰め、鍋、みそ汁のだしや浅漬け、煮物など幅広く活用できる。
現在、カツオだしを加えたねこんぶだしのほか、ビーガンなどに対応した植物性100%のだしも開発中。CFではだしの製造にかかる設備投資の資金を募り、だしがその返礼品となる。支援は、ねこんぶだし(300ミリリットル入り)3本3800円、6本7000円、12本1万2800円。カツオだし入りは8月末、植物性100%のだしは11月末まで配送予定。
藤田社長は「コンブは栄養満点でパワーの源。消費者に喜んでもらえる商品になっているので、みんな大変な状況だが、ぜひ協力してほしい」とPRする。CFページへのアクセスはQRコードから。