【乙部】NPO法人ひまわり(倉持篤理事長)が手掛ける、食堂を併設した農産物直売所「たごまる」が10日、町館浦の国道229号沿いにオープンした。地元の新鮮野菜や授産製品などを取りそろえ、人が集う様子などを表現した店名にふさわしく、初日から地元客らでにぎわいをみせた。
同法人は、就労継続支援B型の事業所を同町と函館市、後志管内黒松内町に開設。地域食材を地元の人に食べてもらう機会をつくりたいとの思いと事業所利用者の就労体験の場を兼ねて直売所を設置した。7月30日のオープンを予定していたが、新型コロナウイルスや国道229号の通行止めの影響を考慮し、延期していた。
約500平方メートルの店内に、地場産食材を使ったカレーを中心としたメニューの食堂を併設。新鮮野菜のほか弁当やパン、授産製品、全国各地から集めた180種のご当地レトルトカレーや駄菓子のコーナー、キッズスペースの「わらしゃんど」なども備えている。
初日は開店前から近隣住民が集まり始め、開店時間の午前10時に店舗前で倉持理事長が「お待たせいたしました。乙部町の野菜を乙部町の方が食せる店舗づくりを第一に考えてきた。皆さんに愛される店にしたい」とあいさつ。佐々木信一店長とともに来店者を店内に案内した。
来店者は「道の駅みたい」と品ぞろえを喜ぶ声や、駄菓子などを見て「懐かしいね」と話しながら商品を手に取っていた。町滝瀬から訪れた佐々木春男さん(78)はスイカとキャベツを買い求め「これまで鳥山の直売所に行っていたが、国道が通行止めで行けなくなった。近くに店ができてうれしい」と話していた。
営業時間は物販が午前10時から午後5時、食堂は午前11時半から午後2時まで。土日休み。年内は12月29日まで営業する。問い合わせは同店(0139・56・8350)へ。(入江智一)