22日に全面開業した再開発ビル「シエスタ ハコダテ」(函館市本町24)4階の函館コミュニティプラザ(Gスクエア)の入場者数は、オープン2日間で1万5417人に上った。同ビル向かいの丸井今井函館店は、食料品の売り上げが1・5倍となり、相乗効果が顕著に表れている。
市が開設したGスクエアには22日に8728人、23日に6689人が訪れ、好スタートを切った。ロックバンド「GLAY」のレリーフやからくり時計に多くのファンが集まったほか、2日間ともイベントが開かれていたため、市の想定を上回る出足となった。
来場者数の年間目標は10万人といい、市経済部商業振興課は「事前に内覧会を行っていないため、イベントスペースなどの下見目的で来た市民も多かった。今後も地域と一体となって盛り上げ、人が集まる流れを作っていきたい」とする。
東北以北で最大級となる店舗が1~3階に入居する無印良品も盛況。安達信彦店長は「売り上げは想定の倍。食料品の売れ行きが特に良かった」と手応えをつかむ。
同ビルと地下通路で結ばれる丸井今井函館店は、地階の食料品売り場に大勢の客が詰め掛け、売り上げは通常の土日と比べて22日が1・5倍、23日は1・3倍となった。同店の山本広行店長は「今まで来ていない新たな客層の流れがあった」と話す。
ビル事業主のSPC函館本町開発は、フロアガイドを記したチラシを1万枚用意。22日は午前10時の開店から5時間ほどで入場者に7000枚を配ったといい、担当者は「渡していない人がいることを考えると、開業日の入場者は相当数いたのでは」と話す。
開業に伴い、本町周辺は一部で渋滞が発生。函館バスによると、22、23日は五稜郭を経由する一部のバスで15分程度遅れが発生した便もあったという。一方、函館市電の23日の利用者は前年同日比で12%増加。混雑を避けた利用もあったとみられ、市企業局交通部事業課は「今後の動向を見なければならないが、シエスタの開業効果があったのでは」とする。
SPC函館本町開発の布村隆二社長は「まだ始まったばかり。これからどんどんまちを盛り上げたい」と話している。(山田大輔、稲船優香)