道南の木育マイスターでつくる「木育マイスター道南支部」(鈴木正樹会長、会員22人)は、道南スギで作った木育キットを開発し、今月からインターネットで販売を始めた。子どもから大人まで楽しみながら木のことをよく知ってもらうためのツールで、組み立てて完成させる。一般向けの木育キット販売は、道内に4つあるマイスター組織で初めてという。
木育マイスターは木育活動の普及推進者で、2010年度から育成研修が始まった。全てのカリキュラムを修了した受講生を木育マイスターとして道が認定、今年1月現在で全道に323人いる。このうち渡島管内35人、桧山管内5人で道南全体は40人。
道南支部は誰でもすぐにワークショップ(WS)を始められるようにと、構想からラインアップの完成まで2年掛け、木育キットの販売サイト「モクノワ」を開設した。
ラインアップは全20種類あり、現在扱うのは子ども用いす、積み木、トレー、サクラの置物、こいのぼりの置物、スプーン、フォーク、ミニフォトフレーム、ティッシュボックス、カズー(楽器)の10種類。組み立て式で、接着剤や紙やすり、ねじなど備品類、説明書が付く。価格は550円~6600円(送料別)。このほか、木を使った製品としてポテトイ(ジャガイモをイメージしたおもちゃ)=6980円、送料別=を販売している。全てオンライン決済で、今後ラインアップを増やし、季節限定商品の追加販売も考えている。
材料は道南スギを中心に、道南スギに不足している強度や質感を補うため、一部道産材(ナラ、イタヤカエデ、タモ)を使い、加工は森町の製材業「ハルキ」、森町の地域おこし協力隊、函館市の家具工房「くらcra」に依頼している。
道南支部事務局長の山本賢治さん(25)=森町在住=は「キットは木育WSを開いたり、子ども誕生などのギフトに利用したりと、活用の幅が広い。キットを通じ、地域材の良さや木育活動を知り、ものづくりの楽しさを感じてほしい」と話す。
モクノワは木育の輪を広げるとの意味で、木育キットを通じ人と森のつながり、木と森のつながり、人と人のつながりを広げ、人と自然が共存できる社会を目指す。キット購入はモクノワのサイト(https://mokunowa.official.ec)で。(山崎大和)