宿泊施設の開発や運営などを手掛ける「Staple(ステイプル)」(本社・広島県)が、函館市大町に飲食店やドミトリーを備えた木造3階建てホテル「SOIL Hakodate(ソイルハコダテ)」や、中高価格帯のホテルを含む複数施設の建設を計画している。同地区では1月から、同社子会社のステイプル函館が一棟貸しの宿泊施設を運営しており、ファミリー層だけでなく1~2人の少数利用や富裕層といった幅広いニーズに応えつつ、地元住民も集まる交流拠点としたい考えだ。
ソイルハコダテは一棟貸しの宿泊施設「ポートサイドインハコダテ」と、道路を挟んで隣接する民有地に計画し、年内の着工、2025年夏ごろの開業を見込んでいる。敷地面積は約130平方メートルで、1階部分は半分が飲食店、残りをドミトリー(相部屋)として、6つのベッドを設ける。2、3階は個室とし、各階に20平方メートルの部屋を2部屋、40平方メートルの部屋を1部屋ずつ設ける。
主なターゲットはバックパッカーや友人、カップルなど少人数による利用で、価格は1万円弱から5万円程度を想定。同社のプロジェクト責任者である園部優樹さん(28)は「飲食店ではサンドイッチなど気軽に楽しめるものを提供するほか、世界との交流拠点だった函館をイメージし、スパイスや発酵の技術を取り入れた創作ビストロなども考えている」と説明する。
このほかソイルハコダテの向かいで、緑の島に架かる新島橋そばの民有地(3300平方メートル)では、約40室の中高価格帯ホテルや賃貸レジデンス、飲食店やスパ、ギャラリーなどを想定した複合エリアを計画。25年内に着工、27年中の開業を目指している。園部さんは「観光客だけでなく、地域の人にも利用してもらえるような場所にしたい」といい、今後地域住民などを交えたワークショップを企画し、地域と一緒になって計画を進めていきたいとしている。(野口賢清)