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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「春爛漫」

 今年の桜は早かった。梅とボケの蕾がやっと膨らんだかと思ったら、あっという間に桜も一緒に満開となった。黄色いレンギョがそのピンクの群れに加わり、ひと足早く咲いていた白いモクレンと、追い掛けるように咲き出したライラックとツツジがさらに彩りを添えている。

 北国の花たちは一斉に咲く。立春を過ぎ、本州から春の便りが届くころ、北国はまだ深い雪の中。その遅れを一気に取り戻すかのような咲きっぷりである。見事につじつまを合わせる植物たちの生命力には毎年感動する。

 料理研究家だった義母が数十年前、夫の転勤で東京から北海道に来て一番困惑したのは、茶道の懐石や家庭料理の季節感と現実のギャップだったという。ほどなく北海道の四季と産物に合わせて「蝦夷懐石」を提案したのは、必要に迫られてのことだったはずだ。

 亡くなって20年近くたつが、まだ時折、義母が残した膨大な書籍の間から料理や俳句のメモがみつかる。北国の四季の移ろいを楽しみながら、その暮らしにとけ込んでいった様子が伺える。姿はなくても今もなお、師匠でもあった義母から教えられ続けている。偉大な人だった。

 週末の朝、狭い庭から切ったツツジは藍色の布によく映えた。手抜きのちらしずしと鯛焼きしかないのに、豪華に見えるからありがたい。かくも緑の力は大きい。短い爛漫の春を謳歌(おうか)したい。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

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