新型コロナウイルスが猛威を振るっている。新聞もテレビも刻々と変化する現状と対策を報道しているが、私たちにできることは「マスクと手洗い」に尽きるようだ。ウイルスは幾何学的な形をしている。他の生物の細胞を借りなければ増えることができないのでイキモノとは言えない。だから怖い。
怖いといえば、昨今の異常気象である。雪が少ない。気温も高い。1月下旬に北海道に雨。一方関東はといえば、雪が降った翌日は20度近い暖かさ。オーストラリアでは野生の動植物が絶滅を危ぐされるほどの広域の山火事が続いている。地球全体がおかしい。温暖化と言われても実感がなかった人たちも、さすがに危機感を感じ始めたのではないだろうか。
海の温度が1度上がれば、大型台風が増える確率も高くなるという。海の生態系の変化も心配である。イカだけはいつもあるかと思っていたが、近年の不漁は周知の通りである。温度が上がり降水量も減るとなれば、農業も心配になる。食糧難は他人ごとではない。命は自分で守るしかない。
ウイルスや音もなく押し寄せる異常気象の脅威を前に、私たちにできることは果たしてあるのだろうか。あふれる情報の中から正しい情報を見極めるためには、生命や自然現象に関する基礎知識が絶対に必要である。今こそ学校や家庭でウイルスや異常気象の話題を取り上げてほしい。幼少期からの理科教育の一層の充実に期待したい。(生活デザイナー)