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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「ともだち」

 札幌で学んでいた次女の幼なじみが勤務地に旅立つ。久しぶりに顔を見せてくれた彼は6年前とは比べられないほど頼もしかった。だが、娘と話している様子は6歳の頃と同じ笑顔。18年間変らない。うらやましいなと私は思った。
 私には幼なじみと言える友達はいない。「湯の川幼稚園に2年通ったが友達は?」と聞かれても、たった一人の名前しか出てこない。今の私からは想像もできないが、私はピアノのカバーの中に隠れているような、協調性も積極性もない子だった。駒場小学校1年生の秋、旭川に転校したが、そこでも列挙できるような友人はできなかった。
 中学校は受験してやっと内気さを返上。今に至っている。だが根本的なところで私は友達が多いことやいつもワイワイする仲間がいることを理想とはしていない。子供の頃から一人で行動することを厭わなかったし、どこか冷めた子でもあった気がする。実際、大学入試に失敗した時、当時は大勢いたはずの友達のうち、電話をくれたのは一人だけだった。大人になってから苦境に立った時も、噂に尾ひれをつけて広めたのは親しいと思っていた友人たちだった。
 娘たちの明るい笑い声を聞いているとしみじみ友達っていいなと思う。だが子供のころの私のように友達づくりが苦手な子もいる。ともだちは百人もいらない。心が通うなら一人で十分だし、仮に今友達がいなくても悲しむ必要などない。悲喜こもごもの春は人の真価が分かる季節でもある。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

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