(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「秋雑観」

 大学で教え始めてかなり年月が経つが、最近富みに学生との年齢差を感じていた。だがそれは単にモラルの問題で、世の中全体に見られることに気がついた。
 学生のレポートに(笑い)というのを見つけたときは唖然(あぜん)としたが、真面目な仕事のメールに(苦笑)と書く仕事仲間もいるからだ。これさえ書いておけば何を言っても良いと思っているのか、言いにくい内容を和らげているつもりなのか、いずれであれ、私信以外で書くのはおかしい。
 重要な仕事の内容をすべてラインで行う人も増え、「ライン見てくれました?」と、まるで見るのが遅れたこちらが悪いと言わんばかり。ペーパーレスは悪くはないが、手渡して確認すべきことはあるはずだ。便利なツールは私たちを無礼にするだけでなく、危うい時代の到来を思わせる。
 そしてさらに怖いのは、私たちの口(くち)である。最近カフェで、隣の客が自分が担当している患者の病状や同僚、病院の内情を大きな声で電話していてかなり慌てた。また、ある居酒屋では、出身校、勤務先、経営状態などを声高に語り合う50代と思われるグループがあり、店内で隣り合わせたみんなが知らなくてもよい情報を共有してしまった。漏えいも甚だしい。
 かつては声を潜めるか、名を伏せるのは常識だったが、危険な時代になってしまった。学び忘れか、訓練不足か。どうしたらよいのだろうか。季節はすでに秋。時代はどんどん無礼な方向に加速してゆく。(生活デザイナー)

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