【長万部】北海道新幹線の札幌延伸で用いられるレール輸送のうち、整備新幹線の建設工事では全国初となる全長150メートルのロングレール28本積んだ専用列車が21日、長万部駅に到着した。27年度までに合わせて10~15回程度、同様の輸送を行う。到着したレールは、道新幹線長万駅前後の上下線合わせて15キロに敷設される。
同列車は18日に黒崎駅(福岡県北九州市)を出発。山陽本線や東海道本線、東北本線を経由し、青函トンネルを通過し、道内入り。4日間で2100キロメートルを走破した。
鉄道運輸機構によると、従来は、製鉄所で製造されたレールは25メートルごとに切断したレールを船やトレーラーで輸送し、現場で接合していたが、専用貨車でロングレールのまま鉄道輸送することで、積み替えなしで北九州から長万部へと輸送が実現し、環境負荷を低減する。また、レール溶接の個所が従来の6分の1となり、レールそのものの品質の向上、工期の短縮にも寄与するとしている。
同列車は午後2時20分後ごろに到着。地域住民と町の関係者の出迎えを受けた。到着セレモニーで木幡正志町長は「150メートルレールを迎え入れることができ、心からうれしさと感動を覚える」とあいさつした。
あいさつの後、五稜郭駅から長万部駅まで列車を運行した乗務員や鉄道機構、JR貨物、JR北海道、日本製鉄の関係者に花束や記念品が贈られた。(市丸和秀)