函館市は29日、胆振東部地震の影響で中国人観光客の宿泊キャンセルが相次いでいることを受け、中国向けに函館観光の安全をアピールするライブ配信をインターネット上で行う。中国での観光プロモーションに影響力を持つ人物(キー・オピニオン・リーダー)が函館山展望台やベイエリア、函館朝市など市内観光地5カ所を訪れ、現状を生中継し、消費者にダイレクトに訴える。
今年度の新規事業「中国デジタルプロモーション」の一環で、中国向け函館観光ライブ配信事業としてプロポーザルで全日本空輸(ANA)が受託した。当初は函館の歴史をテーマにライブ配信を10月に予定していたが、地震の風評被害を払しょくする必要があると判断、内容を変更し時期も前倒しした。
中国の代表的なアプリ「一直播(イージーボー)」を使う。東京在住の中国人女性、林萍在日本(リンピンザイリーベン)さんが、市国際観光課職員と一緒に函館山展望台、ベイエリア、函館朝市、五稜郭タワー、五稜郭公園を回り、平静を取り戻した函館の今を伝える。各施設の担当者も出演し、観光に支障がないことをPRする。配信時間は午前10時半~正午。
一直播は、9月1日現在のフォロワー数が171万人に達し、視聴者の関心が高い。想定視聴回数は300万回以上とし、日本でも視聴できる。
中国の2017年度の宿泊客数は台湾に次ぐ約8万人と重要な市場。同課は「風評被害を払しょくするため、中国向けに函館を緊急的にアピールする」としている。(山崎大和)