渡島総合振興局は、2016年度の管内の観光客入り込み数をまとめた。前年比15・2%、約166万人増の1259万600人で5年連続の増加とともに、2003年以降で最高を記録した。北海道新幹線開業やそれに伴うツアー、メディア露出の増加が主なプラス要因。森町を除く全市町で前年を上回り、道の駅の利用者が好調だった木古内町が前年比410・0%、鹿部町が同224・2%と急激な増加となった。
市町別入り込み数では初のフルマラソン大会の開催、青函デスティネーションキャンペーンによる誘客が行われた函館市で過去最高の560万6900人を記録。次いで七飯町の199万8100人、北斗市の123万7700人、森町の82万7600人となった。前年度に減となっていた七飯町、松前町もプラスに転じた一方で、森町は前年に合併10周年記念イベントを開催していたことに加え、サクラの開花が早く「森町桜まつり」への来場者が減少したことがマイナス要因となった。
月別では北海道新幹線開業直後の4、5、6月がいずれも前年比20%以上の伸びを見せるなど4~2月まで増加したが、3月は4・4%の減となった。道内客は634万7400人(前年比12・1%増)、道外客は624万3200人(同18・5%増)となり、日帰り客は857万8600人(同15・6%増)、宿泊客は401万2000人(同14・3%増)となった。
また、訪日外国人宿泊客数は前年比3・2%増の46万8000人となった。中国、インド、東南アジア諸国に対するビザ発給要件が緩和されたことがプラスに働き、現行方法で調査を開始した2009年以降で最高となった。
国・地域別では昨年5月に函館-北京、函館-杭州の定期便が運休したことにより中国、韓国がそれぞれ10・3%減の10万4077人、8・1%減の2万3786人と減少した一方で、タイ、マレーシア、シンガポールといった東南アジアや米国からの観光客が増加した。(大谷健人)