青年海外協力隊参加などの経験を持つ市内の自営業萬雅宏さん(55)はこのほど、ゲストハウス「MOTOMACHI HOUSE×CAFE」(元町30)の運営を始めた。自身の経験を活かし、国内外からの観光客と市民が交流を深められる場を目指す。夏ごろには宿泊者と市民が交流できるカフェをオープンさせる予定。
ゲストハウスは、大手民泊サービス「Airbnb」などを通じた予約を中心に利用者を受け入れる。共同で使う10畳ほどのリビングのほか、計7人が宿泊できる客室2室で営業。現在も改装を続けており、最終的には13人の宿泊が可能になる。
国内外から問い合わせがあるが、中国や韓国、台湾などアジア圏のバックパッカーや、国内の留学生が北海道旅行の際に利用するケースが多く、既にゴールデンウィークは満室だという。
萬さんは函館出身。東京で会社勤めをしながら、ミクロネシアで青年海外協力隊を経験。海外では地元の人との偶然の接点の方が、仕事や一般的な観光より鮮烈に印象に残っているという自身の経験から、いつかゲストハウスを開きたいという夢を持ち2008年に函館にUターンした。
介護関係など複数の仕事に取り組んだ後、廃業予定の民宿経営者と出会い、民宿マネジャーに。この経験でゲストハウス運営への手ごたえを感じると同時に、観光客として民宿に泊まっていたシンガポール人デザイナーで同ゲストハウスのオーナーであるハンス・シアさんと意気投合し、同ゲストハウスをオープンする運びとなった。
萬さんはマネジャーとしてゲストハウスを運営する。「今までの経験やご縁がやっと実になった。面白いお客様が多いので、地元の方とも交流できるイベントを企画していきたい」と話している。(伊藤 尚)