道東太平洋沿岸で赤潮による漁業被害が発生している問題で、上磯郡漁協(本所・知内町、西山武雄組合長)は29日、北斗漁港(茂辺地、上磯両地区)でも秋サケ380匹(同日現在)が死んでいた被害を明らかにした。道総研函館水試が海水を調べた結果、漁業被害の原因となるプランクトン「カレニア・ミキモトイ」が検出された。
同漁協によると、定置網のサケ被害は今月15日から確認され、29日現在、最多で21日の121匹、最少で19日の3匹と日によって差がある。被害額は約130万円に上る。その他の魚介類で被害は確認されていない。
道東では秋サケやウニの大量死が確認されており、同漁協のウニ種苗センター(知内町)で中間育成したウニ種苗を、釧路管内に出荷できない状態だ。
道東で被害を引き起こした比較的低い水温でも増殖するプランクトン「カレニア・セリフォルミス」とは異なり、今回はプランクトンの量が少なく赤潮にはなっていない。道東の赤潮との関連も不明だ。
同漁協の三上珠樹専務は「秋サケの来遊数が少ない中で、へい死が出ているのは大変。サケ定置は共済制度の対象になるが、被害が出れば漁業者がやる気を失う。6年前に函館でカレニア・ミキモトイの赤潮被害が出た際は1~2日で解消した。今回は期間が長いので不安だ」と話している。(山崎大和)