1日の解禁後、荒天のため出漁を見合わせていた道南スルメイカ漁は3日、函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(佐藤豊次部会長、21隻所属)の9隻が今季初出漁した。日本海の来遊量は、不漁だった前年並みで近年平均を下回ると予測されており、漁業者は期待と不安の入り交じる思いで漁場に向かった。4日朝、初水揚げする。
イカ釣り漁船は午前8時ごろから函館漁港を一斉に出港。海がなぎだったことに加え、青森県沖へ向かう船が多かったため、通常より早めに出発した。主漁場は松前沖。
市漁協によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月より3・5円上がって1リットル59・3円(税別)。昨年同期(74・7円)や一昨年同期(98・2円)と比べても大幅に下がり、漁模様に期待が掛かる。市漁協は「2日間待った分、たくさん捕れてほしい」と願う。この日、銭亀沢漁協、松前さくら漁協からは出漁しなかった。
函館近海は2010年以降、漁場形成がうまくいかず、水揚げ不振が続いている。(山崎大和)