道南の赤肉ブランドメロン「さぶりメロン」の初競りが8日、函館市青果物地方卸売市場であり、森町産木箱入り特秀2玉が過去最高の10万円で競り落とされた。販売10年目となった2017年の初競りと同額。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気悪化を受け5万円に落ち込んだ昨年の2倍となり、生産者やJAは安堵(あんど)した。
厚沢部町の「さぶ」と森町の「り」から命名。森は11戸が1・4ヘクタール、厚沢部は4戸が2ヘクタールで赤肉メロンを栽培。赤肉メロンの中から糖度15以上、1玉重量1・8キロ~2・1キロ、容姿やネットの張り具合が良好なものを、さぶりとして出荷する。上品な甘みと果汁感が人気で、道南に夏到来を告げる果実だ。
この日は、昨年の3倍となる森産12ケースが東一函館青果の売り場に並び、競り落とした丸上青果(西桔梗町)の豊嶋敦果実担当課長(48)は「形やネットの張りなど品物が良かった。夕張メロンの初競り2玉270万円には届かないが、明るい話題で道南を盛り上げたい」と笑顔を見せた。早速、函館のスーパーアークスや九州屋丸井今井函館店の店頭に並んだ。
JA新はこだて森基幹支店によると、5月の曇天で生育遅れが懸念されたが、6月以降天候が安定したため生育は回復し、大玉で糖度も例年よりやや高めに仕上がった。さぶりの出荷は森産が8月上旬まで、同月中旬から厚沢部産にリレーし、10月上旬まで続く。(山崎大和)