函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での7月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年を17トン下回る74トンだった。統計の残る2005年以降では、19年の91トンを下回り過去最低。主漁場は前浜(津軽海峡)に移ったものの、厳しい漁模様が続いている。(山崎大和)
同部によると、1キロ単価は前年を15円上回って828円と15年以降で最高。薄漁を反映した形だが、同部は「新型コロナウイルス禍がなければ、もっと高かった可能性もある」と指摘する。取扱金額は前年比18%減の6126万円。出漁回数は前年とほぼ変わらない26日だった。
漁解禁から2カ月間(6、7月の合計)の取扱量は前年より12トン少ない121トン、単価は28円安い867円、金額は同12%減の1億487万円。
国立研究開発法人水産研究・教育機構(横浜市)が発表したスルメイカの長期漁況予報によると、8~9月に太平洋を北上する群れの来遊量は、津軽海峡~道南太平洋で前年を上回り、魚体は前年並みとしている。また、日本海でも8~12月の来遊量は道南・津軽海峡では前年と近年平均(15~19年)を上回るとし「現在は魚体も小さく厳しいが、漁模様が好転しそうな予報が出ているので期待したい」(同部)との声がある。