【森】町内の全小中学校で19日、農家から寄贈を受けた濁川産のトマトを使った給食が提供された。甘みと酸味のバランスが良い「チキンのトマト煮」として出され、子どもたちは故郷の味をかみ締めた。
濁川のトマトは、地熱や温泉熱を利用したハウス栽培が特長。町の農産物で最も多い生産量、生産額となっている。中でも3月末~7月ごろに収穫されるトマトは、あまり多くの水を与えず時間をかけて栽培されるため、甘みが増すという。
子どもたちに地元の食材を食べてもらおうと、町内のトマト農家でつくる「森町トマト生産振興協議会」(伊藤博之会長)が初めて60キロ(1250食分)を無償で提供。町給食センターで湯むきし、ざく切りし食感を残して調理した。
鷲ノ木小学校(船橋恭二校長、児童75人)では試食会が行われ、伊藤会長や梶谷恵造町長ら関係者が5年生14人と共に味わった。伊藤会長が全国の農家の生産の端境期に収穫した森町のトマトが国内のテーマパークで使用されていることを説明すると、子どもたちは「えー!」と驚いていた。
中川悠希君は「もともとトマトは好きじゃなかったけど、少し好きになった。きょうの給食をきっかけに、みんなにも好きになってもらいたい」と話していた。(稲船優香)