道南近海のスルメイカ(マイカ)漁が解禁された1日、函館漁港からイカ釣り漁船が松前沖へ出漁した。漁業者らは豊漁への期待と不安を胸に抱きながら漁場を目指した。夜にかけて漁が行われ、2日早朝に水揚げされる。
函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(佐藤豊次部会長、20隻)は漁開始に先立ち、5月28日に大漁祈願祭を行いこの日の出漁に備えた。道南近海の漁況予測について有識者からは、昨年と比べ期待できるものの、豊漁とまではいかないとの見方が示されている。
同漁港では早朝から漁に向けた準備をする漁業者の姿がみられ、午前8時半ごろから1隻また1隻と出漁していった。田原正明船長(57)は「とれるかどうかは漁へ行ってみなければわからない。昨年がひどかったので、今年への期待は大きいが、不安もある」と話していた。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)で2日午前5時半から、スルメイカの初競りが行われる。
市によると、昨季の同市場での生鮮取扱量(昨年6月1日~今年1月10日)は、前年比35%減の1493トンと、2005年度以降で最低を更新。平均単価は1キロ779円で、過去10年で最高値となるなど、壊滅的な不漁だった。(野口賢清)