【厚沢部】道総研道南農試(加藤淳場長)主催の「第19回道南農業新技術発表会」が22日、町民交流センターあゆみで開かれた。約100人が参加し、道内各試験場などが研究開発した新技術や研究成果に理解を深めた。
このうち、十勝農業試験場などによる研究成果の発表では、道の優良品種小豆「エリモショウズ」に、落葉病への抵抗性を付与した新品種「十育167号」について解説。エリモショウズは耐冷性や収量性に優れ、製餡(せいあん)適性が高い一方、落葉病への抵抗性を持っていないことから、生産拡大とともに同病による減収も多くみられた。そのため、エリモショウズの食味や製餡適性を有しながら、落葉病に強い品種が求められていた。
そうした中、十育167号はエリモショウズと、落葉病にかなり強いといわれる「しゅまり」を反復戻し交配することで、理論上99%以上エリモショウズと同じになり、「落葉病や萎凋病(いちょうびょう)に強く、エリモショウズと遺伝的にほぼ同じ。加工適性はエリモショウズと同等であるなどの特徴を得た」という。十育167号の普及見込み面積について「2021年までに1万1000ヘクタールを、この品種で置き換えていく計画」とした。
また、中央農業試験場の発表では、今年特に注意すべき病害虫について報告。アブラナ科野菜の重要害虫であるコナガや、リンゴの黒星病、腐らん病などを紹介し、注意を呼び掛けた。(野口賢清)