10月に解禁された道南太平洋海域(渡島、胆振、日高管内)での今季のスケトウダラ刺し網漁が低調だ。10月の渡島の漁獲量は前年を28%上回る2028トン(速報値)。前年が極端な不漁だったことを考慮すると、漁模様は前年並みと推測される。12月の盛漁期に向け、今後の巻き返しに期待が寄せられている。
渡島総合振興局によると、渡島の金額は前年並みの1億8498万円。1キロ平均単価は前年を22%下回る91・2円となった。操業回数は前年より5回多い21回。ただ、1日1隻当たりの漁獲量は1・5トンと前年(1・6トン)より少なかった。水産課は「漁獲量は前年を上回ったが、1隻当たりの漁獲量が少なく、魚分布密度は前年並みと考えられる。決して好漁とは言えない」と説明する。
漁協別水揚げ量は、砂原が93%増の162トン、鹿部が57%増の839トン、南かやべが7%増の762トン、えさんが6%増の265トンと噴火湾寄りが総じて好調だった。
10月は胆振の漁獲量も前年を下回り、低水準という。渡島は11月に入っても漁模様が好転せず「盛漁期の年内にたくさん捕れることを願うばかり」と同課。
道総研函館水試の武藤卓志主査は「今季の主要な漁獲対象である2010、11年級群の資源状態が悪かったのが低調な要因」と指摘している。(山崎大和)