道南で今季のスルメイカ漁が6月1日に解禁されるのを前に、函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(小甲大樹部会長、15隻所属)は23日、函館漁港で大漁祈願祭を開いた。函館近海のスルメイカは近年、漁獲量が大幅に減っており、神事を行ってイカの豊漁と海上安全を願った。
港内に大漁旗がたなびく祭壇を設けて行い、約60人が参加。山上大神宮(船見町)の神職が祝詞を上げ、参加者が一人一人玉串をささげた。今年のお札船を務める第二十八千代丸(鈴木鉄夫船主)の船上でも祈とうをした。恒例の餅まきは地域住民らが縁起物の餅を拾い集めた。
漁師の佐藤豊次さん(75)は「本州での漁獲状況が良くないと聞いており、今年もあまり期待はできない。ただ、7年以上続いた『黒潮大蛇行』が終息する可能性となり、太平洋側を北上する群れは漁獲が上向いてくれれば。燃料代など経費が高止まりしており、単価が高くても捕れるイカが少ないから、経営は厳しい」と話した。
道総研函館水試は20~26日、試験調査船「金星丸」で津軽海峡周辺~秋田県沖の日本海でのスルメイカの分布密度を調査しており、30日にも結果を公表する。(山崎大和)