渡島総合振興局は、渡島管内(八雲町熊石地区を除く)の漁業生産高(速報値)を発表した。数量は前年比13%減の12万トン、金額は前年比28%減の333億円で、数量はマイワシの減、金額はホタテの中国による禁輸措置の影響による減が響いた。
ホタテの数量は前年比3%増の5万8163トンとなった一方、金額は同48%減の113億円まで落ち込んだ。23年8月の中国による日本産ホタテ禁輸措置発表後、ホタテ価格は暴落したが、24年末には輸出先多角化などで一転して高騰。しかし、3~6月の出荷が中心の噴火湾ホタテには価格上昇の恩恵は少なく、年間を通じての1キロ当たり単価は昨年の約半分の195円だった。
コンブは前年比16%減の3469トン。同単価が前年より12%高い1868円となったため、金額は6%減の69億円。ブリは前年比29%増の1万40トンと豊漁、同単価は昨年比10%減の187円だったが、出荷額は19%増の19億円になった。
ウニは前年比8%減の123トンだが、同単価が前年比3%増の1万2650円となったため金額は昨年とほぼ変わらず16億円。ミズダコは前年比11%減の1281トン、同単価は昨年比16%減の964円となった結果、金額は29%減の12億円。
スルメイカは同46%減の976トンとなり千トン台を割り込んだ。単価は同15%減の1078円と振るわず、金額は同52%減の11億円の低水準になった。マイワシは前年大幅増の反動もあり、数量が前年比32%減の2万2677トン。単価は同17%減の同45円。金額は44%減の10億円だった。
今後の見通しとしては、同振興局水産課は「ホタテの輸出が好調で、今年は高値の恩恵を受けるのでは」とする一方、噴火湾での稚貝大量死について「26年出荷分への影響は懸念される」としている。地球規模の気候変動からコンブなども含めて養殖魚種の高水温被害が深刻化し、同課は「養殖方法の改良など、関係機関と連携して解決に取り組みたい」とする。(神部 造)