【知内】町森越沖で日本サーモンファーム(青森県深浦町)によるトラウトサーモン(ニジマス)の試験養殖が始まった。12~15日に沖合3キロに設置した直径40メートルのいけすに5万~5・5万匹の種苗を放流。外海で実施する道内最大規模の養殖試験事業で、来年4~6月に100トンの水揚げを見込む。
同社と町、上磯郡漁協の3者は7月に養殖事業に向けて連携協定を締結。水産加工大手のオカムラ食品工業(青森市)のグループ会社で、津軽海峡では青森県今別町沖でのサーモン養殖に実績があり、道内では八雲町、後志管内岩内町の事業に関わる。また水産養殖管理協議会(ASC)が管理、運営する国際認証も取得している。
いけすは10月末に今別からえい航して森越沖3キロの外海に設置。八雲町内で生産した約20センチ、400グラム程度の種苗が11日から順次、町内に輸送され、海水に慣らした後に放流した。来年4~6月には3~4キロ程度に成長するといい、水揚げ量は100トン程度と見込む。近く、自動給餌装置を設置する。試験は複数年継続し、速い潮流や水温の影響を見ながら、2026年にはいけすを4基まで増設する。
町産業振興課の南一貴課長は「初年度から外海で養殖事業を行う事例はまれ。順調に生育して、計画通りの水揚げにこぎ着けることを願っている」と話している。(今井正一)