函館市内の企業と漁師が連携し、未利用魚の活用に取り組む「未利用魚介プロジェクト」は15日から、小ぶりで市場で値がつきにくいサバなど規格外の魚類を使った商品12種類を、丸井今井函館店地階不二屋本店の特設ブースで販売する。28日まで。
プロジェクトは地元素材を使った商品を企画する合同会社EGAO(桔梗3)のプロデューサー、川崎良平さんが中心となって立ち上げた。市漁協所属の漁師、熊木祥哲さんが水揚げし、サイズが規格外だったり、捕れても廃棄されたりするサバやタナゴ、ガヤ(エゾメバル)を福田海産(宇賀浦町、福田久美子社長)が加工。エビスパック(昭和3)がレトルト商品に仕上げ、販売を通じ漁師の支援につなげる。
サバ、タナゴ、ガヤはEGAOが開発した函館産マコンブのだし調味料「極UMAMI美人」を塗って焼いた「美人焼き」として商品化。調味料を塗ることで魚の臭みが抜け、コンブのうまみを吸収するという。サイズに応じて1尾入りや2尾入りを用意するなど食材の有効活用を徹底する。
また、イカめしを製造するエビスパックが仕入れ、活用に困っていた規格外のイカを使った美人焼き、中国の国産水産物禁輸の影響で同社が在庫を抱える道産ホタテを使った炊き込みご飯の素も並ぶ。
いずれも製造から半年間常温保存が可能。川崎さんは「未利用魚を適正価格で取引できる利用魚にするのがテーマ。販売を通じ、近海で捕れる魚の中から多くの規格外が出てしまう地域の課題を知ってほしい」と話している。時間は午前10時~午後6時半。(飯尾遼太)