道南の赤肉ブランドメロン「さぶりメロン」の初競りが12日、函館市青果物地方卸売市場であり、森町産特秀2玉が過去最高の12万円で競り落とされた。これまでの最高額は2017年、21、22年の10万円で、幸先の良いスタートを切った。
上品な甘みと果汁感が売りで、道南に初夏の訪れを告げる果実。赤肉メロンの中から糖度15以上、1玉重量1・8~2・1キロのものを厳選し、名称は厚沢部町の「さぶ」と森町の「り」から命名した。
初競りには、森産特秀3ケースが東一函館青果の売り場に並び、ほかの2ケースも各3万円で落札された。最高額で競り落とした丸上青果(西桔梗町)の豊嶋敦果実担当課長(50)は「多くの注文をもらっており、品物も良かった。新型コロナウイルスで失速した函館の経済を元気づけたい」と話した。競りを見守った生産者の中澤秀樹さん(47)=森町白川=は「(過去最高値に)驚いたが、自信を持って生産した」と喜んだ。さぶりメロンは道南ラルズのスーパーの店頭に並んだ。
JA新はこだて森営農センターによると、町内の10戸が1・2ヘクタールに赤肉メロンを作付け、今年は生育順調で大玉傾向という。さぶりとして300~500ケース(1ケース約4キロ)の出荷を見込む。森産は7月中旬まで、8月上旬から厚沢部産にリレーし、10月上旬まで続く。
(山崎大和)