函館市のまちづくりの方向性を検討する第3回「ガーデンシティ函館」検討懇話会(座長・木村健一公立はこだて未来大学教授)が27日、開かれた。「開港通り」の整備案を示し、現地を視察した。
開港通りは市道「中臨港通」と「二十間坂通」の一部約1・5キロの愛称。このうち、東雲広路と豊川広路間の600メートルをガーデンシティの整備第1弾として事業を計画している。
現状は幅員18メートルの片側1車線の道路で、両側に各4メートルの歩道がある。整備案では車道の停車帯部分を狭め、函館港側のみ歩道を6メートルに拡幅。ゆとりができた空間に、四季を感じることのできる広葉樹の中木、高木、花壇、ベンチを配置し、函館開港の歴史を紹介するパネル設置も盛り込んだ。
市は6月中旬に通行量調査を実施。昼間の8時間に1600人の歩行者が通行し、9割以上がニチロビルや函館国際ホテルが並ぶ函館港側を通行した。土木部の榎本剛道路建設課長は「平日の通行量としてはかなり多い。週末や観光シーズンはさらに増える。歩行者優先を意識した道路整備は函館では初めての取り組みになる」と話した。
ただ、各委員からは整備案全体のデザイン性について注文が相次いだ。高田傑委員は「全国各地にありふれた印象。函館ならではの要素がない」と話した。
このほか、函館駅前の花壇整備の状況や港湾緑地として整備予定の末広町のウオーターフロント地区などを視察した。(今井正一)