函館市生活交通協議会(会長・奥平理函館高専准教授)が24日、市企業局庁舎で開かれた。バス路線網の再編に向けた検討で、3つの幹線バスと市電を組み合わせた新たなシミュレーション結果を提示。合わせて、交通拠点となる五稜郭、美原、湯川の各結節機能の想定規模や課題を示した。
バス再編の新たな検討案は、市が3月に策定した生活交通ネットワーク計画で示した3案から、営業キロが最も短く、効率性が高い「大循環パターン」をベースにした。
拠点間を結ぶ幹線バスは「昭和・美原・湯川」「美原・昭和・五稜郭・市立函病・五稜郭駅」「美原・五稜郭・函館駅前」の3つを設定。市電(湯川・五稜郭・函館駅前)も幹線の一つと見なし、バス路線との重複をなくした。各交通拠点からは周辺地域に向かう支線バス、郊外地域への路線が加わる。すべてのバスは函館駅前、五稜郭、美原、湯川の各拠点のいずれかに接続するようにした。
この結果、目的地に乗り換えなしで到着できる割合は63%(幹線のみ37%、支線のみ26%)、乗り換え1回は33%となった。従前案より乗り換えの回数を抑制し、利便性が改善された。
一方、五稜郭、美原、湯川の各交通拠点の整備検討案で、五稜郭と湯川は複数のバス停を近接して設置する「ターミナル型停留所」、美原は亀田福祉センターなど亀田地区の統合施設建設に合わせて、函館駅前のような「交通広場型」とすることが示された。
それぞれ、乗り継ぎ移動距離の短縮、自動車の混雑緩和、定時制確保などの視点から計12項目で評価。五稜郭は本町交差点の8地点のうち、本町交番前など3地点が高評価だった。一方、電停との連携が求められる湯川は、幅員も狭く、用地確保も困難であることなど、課題が多い結果となった。3拠点ともに今後、整備に向けて複数案を作成して検討を進め、来年度に実施計画を策定する予定。(今井正一)