函館市は「行財政改革プラン2012」の施策の進捗状況をまとめた。全91の取り組み項目のうち、27項目が計画の達成を示すA評価、52項目がおおむね順調に進捗しているとするB評価だった。前年度と比較した対策効果額は約9億6000万円となったが、人事・給与制度の見直しによる効果が当初の見込みよりも下回った。
行革プランは12~16年度を計画期間に、基金(=貯金)の取り崩しに依存しない財政運営の確立を目的としている。評価項目は、「市役所の意識改革」(10項目)と「抜本的な財政改革」(81項目)。このうち、13年度中に7項目の取り組みが完了している。
重度身体障害者等タクシー料金助成制度は、14年度に所得要件を導入する計画だったが、財政的な効果が見込めないことから引き続き検討を継続するとし、C評価となった。官民の観光機能を一元化する「函館観光センター(仮称)」の開設は事業内容を変更。本年度に函館駅観光案内所を改装し、機能拡充を図った。
また、社会福祉施設への下水道使用料減免制度は、全額を免除している学童保育所や地域共同作業所などの対象範囲、減免額の見直し検討を進めている。当初計画より進捗が遅れているためC評価とした。
プランの経過は、工藤寿樹市長ら特別職による市行財政改革推進統括会議に報告。21日に市役所で開いた民間有識者らによる市財政再建推進会議で、奥平理委員長は「プランの進捗はおおむね順調だが、若干遅い部分がある」と指摘。高橋良弘総務部長は「計画を達成できるよう引き続き行財政改革を進めていく」と述べた。(今井正一)