函館市内で新型コロナウイルスの新たな感染者が最多数を更新し続けている。26日(発表分)では1日当たり初めて100人を超える143人となり、これまで最大だった25日の98人を45人上回った。自宅療養者も増加の一途で、無料PCR検査を受ける人も急増している。関係者はさらなる急拡大に警戒感を示している。
道によると、25日現在で道南全体の患者数は670人。うち入院は51人、宿泊療養は127人、自宅療養は374人、施設療養3人、調整中が115人という。自宅療養者は24日より115人も増えている。函館市内でも25日で100人ほどいたが、「26日発表分でさらに増加している」(市立函館保健所)とする。限られた職員数で1日1回の健康観察を行う必要があり、同保健所は「業務は数日前からひっ迫状況が差し迫っている」と話す。
同保健所では、濃厚接触者を特定する疫学調査の対象を、同居の家族や重症化リスクの高い人の利用が多い介護福祉施設、医療機関などに絞るなど、保健所業務の重点化を図ったが、感染者増加への対応に苦慮することも多く、自宅療養者に向けて「外出は控え、食料や日用品の購入は親類や友人などに協力をお願いするか、難しい場合は保健所に連絡してほしい」と話す。
一方、函館市内には25日現在、道が無料で行うPCR検査を受けられる医療機関や薬局などが10カ所あるが、感染力が強いとされる「オミクロン株」の出現で、感染者数の拡大が止まらず検査を受ける人数も急増しているという。深瀬医院(松川町)では、21日のPCR検査受検者が159人で、うち無料検査は136人だったが、24日は222人(無料検査186人)、25日は218人(同153人)と増加。同医院によると、27日以降も大部分の予約枠がすでに埋まっている状況という。
同保健所の26日発表分では、感染者の年代別は10歳未満15人、10代21人、20代16人、30代22人、40代27人、50代6人、60代9人、70代7人、80代2人、年代非公表18人。男女別は男性61人、女性65人、性別非公表17人。いずれも軽症または無症状で入院中3人、入院などで調整中が140人。94人に既往患者との接触歴があった。感染者数の累計は2295人となった。(小杉貴洋、小川俊之)
◇
道が26日に発表した道検査分の新たな感染者は、渡島(函館以外)34人、桧山1人だった。また、これまでに認定されているクラスター(感染者集団)のうち、北斗市のグループホームで職員1人の陽性が確認され、計8人となった。