函館市教委は1日、8月30日にヒグマ1頭が近隣の山林で目撃されたため臨時閉場していた史跡大船遺跡(大船町)の一般公開を再開した。管理スタッフによる巡回やサイレンの吹鳴など、安全確保に向けた対策を強化した上での再開となった。
同遺跡には同日午後2時までに約30人が足を運び、道内の他地域や道外からの客足も誘った。また、午前中には函館深堀小学校の3年生と教員の計約50人が見学に訪れた。
同遺跡の管理スタッフ、西田義臣さん(40)は「約1カ月間、やむなく臨時閉場していたが、ようやく再開の日を迎えた。当面の間、来場者の安全確保を第一に業務に取り組みたい」と話している。
同遺跡は、7月下旬にユネスコの世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つで、道内構成資産を巡っている青森市の男性(36)は、午後1時から始まった定時解説に参加し「縄文時代の技術や建造物の構造など、ガイドの説明を通じて理解が深まった。当時の精神性が分かる展示も増えてくれればうれしい」と一層の期待を寄せていた。(海老田暁)