オンラインで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は26日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)の世界自然遺産への登録を正式決定した。函館市の垣ノ島、大船両遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田各県)は27日に世界文化遺産への登録が審議される予定で、順調に議事が進行すると、日本時間同日午後8時前にも登録が決まる見込み。
遺跡群の世界遺産登録に向け、4道県は2007年、共同で国に提案書を提出。19年7月に国内推薦候補に選定され、同年12月に閣議了解によりユネスコ世界遺産センターへの推薦が正式に決定した。ユネスコへの推薦書などでは、遺跡群が1万年にわたって続いた縄文時代の「高度で複雑な精神文化を顕著に示している」とアピールしていた。
20年9月にはユネスコの諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)の専門家が現地を調査。イコモスは今年5月、世界遺産委へ遺跡群の「記載(登録)が適当」と勧告していた。
道内の構成資産は、垣ノ島遺跡、大船遺跡、キウス周提墓群(千歳市)、北黄金貝塚(伊達市)、入江貝塚、高砂貝塚(洞爺湖町)の6カ所で、北東北3県(青森、秋田、岩手)11カ所と合わせて計17の遺跡で構成されている。
遺跡群が世界文化遺産に登録されると、国内20例目となる。(海老田暁)