函館市と北海道ガス(札幌)はこのほど、旧イギリス領事館(元町)に、天然ガスによるコージェネレーションシステム(燃料電池ユニット)を設置した。昨年8月に両者が締結した「協働のまちづくりに関する包括連携協定」に基づく取り組みの一環で、エネルギーや二酸化炭素(CO2)削減、災害時の電源確保などの効果が期待される。
同システムは、天然ガスにより発電した電力を同館のライトアップ設備や各種電源に供給。年間の発電電力量は約6000キロワットで、約1600キログラムのCO2排出量削減が期待できる。発電時の排熱を給湯に有効利用し、1次エネルギーの削減にもつながる。
さらに、災害時に強い都市ガスインフラや停電時発電継続型の燃料電池を使用することで、緊急時にも継続したエネルギー供給ができる。市観光部観光企画課では「函館を代表する観光施設への新システム導入によって、省エネの重要性をアピールできれば」としている。
同協定はエネルギーの有効利用や災害時の支援など7部門18項目で連携し、市民サービスの向上と地域活性化に取り組む施策を進めている。同社のAI(人工知能)技術を活用したロードヒーティング制御システム導入や、災害発生時に同社の発電機を福祉避難所に設置することなどが検討されている。(小川俊之)