函館市教委は、世界遺産登録を目指す北海道・北東北の縄文遺跡群を構成する垣ノ島遺跡(臼尻町)を6月18日から一般公開する。国内最大級の盛り土遺構や竪穴遺跡群の見学が可能で、市教委は「自然豊かな場所で生活していた縄文人に思いをはせてもらえれば」と来場を呼び掛けている。
同遺跡には縄文時代早期(約9000年前)から後期(約3000年前)の長期にわたる縄文人の生活の痕跡が残されている。約190メートル×約120メートルの巨大な盛り土遺構からは、幼児の足型が付けられた足型付土版や漆塗りの注口土器など20万点以上の土器や石器が出土。2011年に国の史跡に指定され、17年から一般公開を目指し遊歩道や案内板、遺跡全体を見渡す展望スペースなどを整備してきた。管理棟も新設し、職員による同遺跡の定時解説も行う予定。
同遺跡は北海道唯一の国宝「中空土偶」を展示する市縄文文化交流センターに隣接しているため、見学者は同センターの駐車場を利用する。公開時間は午前9時~午後5時で入場無料。18日は、関係者によるオープニングセレモニー終了後、同11時15分から一般入場となる。
同遺跡と大船遺跡(大船町)を含む北海道・北東北の縄文遺跡群については、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が6月4日までに世界遺産登録の可否を勧告する見通し。(小川俊之)